miyabi-night28

雨はすぐにあがった。

それは雅紀が笑ったから。

やっぱり笑う雅紀は国宝級だ。いや世界遺産か。

前髪とメガネが邪魔だけど、それがあって尚、雅紀の笑顔は俺の脳天にクリーンヒットした。

部屋に引っ張ってってねちょる手もそのままに抱き締めてほっぺたをすりすりしてくんくんにおいを嗅いだ。

くくくくくくすぐったいよう

肩を竦めてちょっとでも逃げようとする雅紀が可愛すぎて倒れそうだった。

ずっと繋いでた手を離したら、雅紀の手はすごいことになってた。

手汗ととけたあめで大洪水。

せっかくおばちゃんがくれたあめなのに、悪いことしたな。

え?

見てみろ、これ

つまんだあめの包み紙に。

おばちゃんが言ってた四つ葉のクローバーを見つけて雅紀に見せた。

雅紀はびっくりしたみたいにそれを見て、また嬉しそうに、笑った。

空はキレイに、晴れてた。

鼻のあたりがムズムズして、くしゃみ出るって目が覚めた。

ぅおっ

目を開けてちょっとビビる。

ムズムズの原因が雅紀のサラサラの髪の毛だったから。

そうだ。寝起き雅紀がどうしても見たくて、一緒に昼寝しようって俺のベッドに引きずり込んだんだっけ。

ふわっておでこ全開になってる雅紀が超絶美人過ぎて俺の俺が元気になりそう。

だってめっちゃ密着してるし

んな美人とんな密着なんてさあ、我慢できなくて当たり前じゃね?

好きって言葉を聞いてないだけで、雅紀が俺を好きなんて明白過ぎる事実だもんな。

まさきぃんー

ちゅ

タコの唇にしてかるーくキス。

起きるか、起きないか。

起きても寝起きの寝ぼけ雅紀は鼻血が出そうなぐらい可愛いし、起きないなら何回もキスしてやる。

どっちかなーってどきどきわくわく。

ん、しょーちゃあん

お、起きた。

すりすりしてくる雅紀が可愛すぎて転がる。やべぇ鼻血出そう。そして禿げそう。

ぐふふふってちょっとあやしい笑いがこみ上げてくる。

まさきー

しょーちゃん

すりすりすりすりすりすり。

ああ、やっべ。マジやっべ。俺の俺がっ。俺の俺がっ。俺の俺があああああっ。

まさきぃ好きだぞおおおおお

ちょっと腰を引きつつ、どさくさまぎれにコクってみる。

寝ぼけ眼の雅紀がぼんやりと色っぽく俺を見るから。

どっきーん。どっききのきーん。で。

俺の俺が、超元気になっちまった。

僕も好き

まさきいいいいいいいっ

寝ぼけ雅紀最高。

溢れる想いのまま、思いっきり抱き締めたら雅紀が完全に起きて。

ひゃああああああっ

悲鳴と。

ざあああああああああ

ゲリラ豪雨の音が、大きく響き渡った。